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2012 #6

待望のGI

 ホエールキャプチャがやっとGTタイトルを手にしました!
2010年7月のデビュー戦から13戦目。ここまでGIを5戦して、2着2回、3着2回、4着1回と、一度も掲示板を外したことがない堅実な走り。誰もが認める実力の持ち主で ありながら、惜しいレース続きでしたが、やっとその名を記録に残してくれました。

 5月13日。ヴィクトリアマイルのひとつ前、東京の10レースには、スティールパスが出走していました。単勝1.8倍の圧倒的1番人気。勝つとは思っていても、競馬ですからやはり不安です。直線では後ろと3馬身以上差が開いてもなお、ゴール前までテーブルをバンバン叩きながら大声で「よし、来い!」を連発。本番を前に、決めるところをしっかり決めて流れに乗りたかったので、つい応援に熱が入りました。

 そして11レース。待ちに待った瞬間が訪れました。直線はもう必死で、2着以下の馬をチェックする余裕もなく、ゴールしてすぐ、嶋田賢オーナーと抱き合いました。これまでGI5戦、善戦に終わる度に、「いつも頑張ってくれる。本当にいい仔だよ」と静かに称えて下さったオーナー。感謝と申し訳なさと悔しさで複雑な思いでしたが、これで心から喜んでもらえると思うと、泣きたいほど嬉しくて幸せでした。ホエールキャプチャのこれまでの実績と実力からすれば、GIは当然といえる結果かもしれませんが、後でリプレイを見ると、勝つときってこんな感じなのかなというぐらい、鮮やかでした。

 表彰式に向かう道中もその後も握手攻め、メール、電話の嵐。インタビューも受けました。その最中、京都の最終レースにはアルマリンピアが出走。レースを見る余裕もなかった私は、佐々木晶三師からの「おめでとう」の電話をてっきりGIのお祝いだと思い、「ありがとう!後でね」と慌ただしく済ませてしまったのですが、スタッフからアルマリンピア優勝の報告を受けて、慌てて掛け直しました。

 2005年に統一GIのかしわ記念をストロングブラッドが勝っていますが、JRAのGI勝ちは恥ずかしながら10年ぶり。2002年にスマイルトゥモローとピースオブワールドが勝って以来です。忘れかけていた嬉しい忙しさに、2着と1着の差の大きさを実感しました。

   この日は東京10レース、11レース、京都12レースと、GIを挟んで3連勝。翌日の千葉トレーニングセールでも、たくさんの方にお祝いの声を掛けて頂きました。ご購買頂きました皆様にも、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

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 さて、次回のセリは7月。北海道ノーザンホースパークで行われるセレクトセールです。当場からは1歳9頭、当歳10頭が上場致します。その中から今回は当歳2頭の牝馬、トレンドハンターの2012と、モアザンベストの2012をご紹介致します。



トレンドハンター2012
4/15生 牝 父エンパイアメーカー 母父マンハッタンカフェ

 母トレンドハンターはホエールキャプチャと同期の4歳。昨年のフラワーC優勝、桜花賞3着の後、骨折により5戦3勝で引退しました。本馬が初仔です。父は今注目のエンパイアメーカー。今年、米国では、クラシック一番人気となったBodemeisterをはじめ、母系にStorm Catの血が入る3頭が重賞を勝っていますが、本馬はそれに加えてサンデーサイレンスの血も入っています。上述のスティールパスは母の半姉。オークス最有力候補と言われた母の素質からも、非常に楽しみな1頭です。  



モアザンベスト2012
2/6生 牝 父ディープインパクト 母父Giant's Causeway

 母モアザンベストは初勝利から1000万特別まで3連勝。計4勝を挙げました。繁殖に上がってからはディープインパクト一筋。母父Giant’s Causewayとディープインパクトの配合は、先月4戦4勝で仏1000ギニーを制したBeauty Parlourと同じです。先日ゲート試験に合格した2歳全兄は、乗り始めの頃から別格の動きを見せている期待馬ですが、本馬はその兄に劣らぬ雄大な馬格。繁殖としても有望です。

セリ当日、千代田牧場の上場馬はセール会場すぐ向かいの1番厩舎に入厩しております。ぜひお気軽にお越し下さい。

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