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2012 #8

更なる努力を・・・ご購買ありがとうございました

 残暑お見舞い申し上げます。
 全国各地で30度を超す猛暑、皆様お元気でお過ごしでしょうか?
 私は、小倉・新潟・札幌のローカル開催となったこの時期も、定期的に千葉の牧場の馬をチェックしに行きます。千葉は暑いですが、夏の暑さに負けぬよう、私自身も仕事に熱く燃えております!

 先月行われましたセレクトセール、セレクションセールでは、たくさんのオーナーに高い評価を頂き、1歳・当歳合わせて25頭中21頭が落札されました。お声掛け頂きました皆様に、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 今年のセレクトセールでは、1番厩舎(セール会場の向かい)の奥、少しポケットに入った場所に入厩していました。近年は9番厩舎にいることが多かったので、そちらを探して、「千代田牧場はどこだ?」と思われた方もいらっしゃったようです。表通りからは人目につきにくい反面、セール会場やパレードリンクからは近いことから、下見やセリの合間に気軽に立ち寄ってひと休みして頂けるようなスペース作りを心掛けましたが、いかがでしたでしょうか。

 厩舎の壁面には、スタッフの案で、私が今までに撮り貯めた放牧地や仔馬の写真を展示しました。セリカタログの立ち写真も含め、当場のHPなどで使用している写真は私が撮影していますが、公の場で展示したのは今回が初めて。放牧地で飛び跳ねたり、昼寝をしたりといった、牧場でしか目にすることのできないリラックスした仔馬の姿が好評でしたので、いずれHPの方にもアップしたいと思います。

 さて、今年のセレクトセールから、当場おなじみの「すべては馬のために」というモットーの他に、新しく「馬に、人に、出会いに感謝」という言葉を掲げました。各所でそれを実感したセリでしたが、その中から一つエピソードをご紹介します。

 セレクトセール1歳の終盤、216番に父ネオユニヴァースの牝馬が上場しました。母サウンドザビーチは交流重賞TCK女王杯の勝馬で、中央でも牡馬を相手に特別を含む6勝を挙げました。牡馬を思わせる雄大な馬格と、ネオユニ牝馬らしからぬどっしりと落ち着いた構えから、前評判は高く、1500万から始まったセリは、活発な競り合いの結果3100万円まで上がりました。落札されたのは千葉の豊洋牧場のオーナー、古川嘉治氏。下見の際もお見かけしませんでしたので、後で聞くと、この日、古川さんは日帰りでセールを覗きに来たとのこと。その古川さんがなぜ、千代田牧場の牝馬を最後まで競って購入してくれたのでしょうか。

 シゲルスダチという芦毛の3歳牡馬をご存知でしょう。昨年6月にデビューし、2戦目で勝ち上がると、500万、マーガレットS-OPを連勝。NHKマイルカップ-GIでは、直線でジョッキーのゴーサインに脚を伸ばしかけたところを、前をカットされて落馬・競走中止となり、人馬ともに心配されましたが、2ヵ月後のCBC賞で元気な姿を見せてくれました。

 このシゲルスダチの母エトレーヌが、実は千代田牧場の生産馬です。父ブライアンズタイム、母ライジングサンデーという血統は、ファルコンS-G3の勝馬エーシンホワイティの姉にあたります。エトレーヌ自身は2戦のみで引退しました。その後、繁殖として引き受けて下さったのが、豊洋牧場の古川さんで、2009年にエトレーヌが産んだ初仔のクロフネの牡馬がシゲルスダチでした。  

 古川さんは、エトレーヌの故郷である千代田牧場に「恩義を感じて」、今回のサウンドザビーチの牝馬を購入して下さったそうです。馬が繋いでくれた素敵な人の縁です。

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 セレクト2日目の当歳たちも高い評価を頂きました。特に牝馬が高く評価されたのは、時間をかけて作り上げてきた血統の質の高さが認められたということで、大変うれしく思います。

 しかしながら、生産から育成までを行う総合牧場としては、セリで高い評価を頂いたことは一つの通過点であり、牧場の真価が問われるのはその先の競馬の結果次第。
 先日の「牧場で働こうフェア」で牧場に就職を希望する学生にも言いました。1頭1頭が勝利に至るまでの道筋はそれぞれに違い、正解はない。日々、感性と研ぎ澄まし、努力と勉強を怠らないこと。我々一人ひとりの努力が、馬を成長させるのだと。
 セリで高い評価を頂いても、レースで結果が得られても、さらに前を、そして上を目指して、スタッフ一同これからも努力して参りたいと思います。

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