――入社したばかりの頃は大変でしたか?

体力のいる仕事が多いので、牧場を志望するなら基礎体力はつけておいたほうがいいです。牧場の醍醐味を知る前に体力的に参ってしまうのはもったいない。

どの仕事も最初はすごく時間がかかりました。体力がついてきて、どうやったら早くできるかを考える余裕が出てくると 「前回よりも3分早くできた」と小さいながらも達成感が感じられるようになりました。

最初のうちは、毎日繰り返す作業こそ目標を持って取り組むと、日々の成長が実感できてよいと思います。

馬の頭数が多いので、名前や血統、特徴を覚えるのが大変でした。

好きだけで飛び込んだ世界なので、理想と現実のギャップはあったはずなんですが、あまり心に残っていないです。それに勝る喜びがあったと思うし、他から見たら大変だなあと思われることも、自分の中で消化できてきたのだと思います。

――仕事の中でやりがいを感じることは?

セリなどで馬を評価して頂いたときは嬉しいです。買って下さった方はもちろん、下見で「よく出来ているね」と声を掛けて下さる方もいて、ありがたいです。

やっぱりレースで勝ったときは格別ですよ。逆に牧場の調教の段階でこうした方が良かったかなという反省点も出てくるので、それを次に活かして勝利につなげたい。

大きなケガや難産でみんなで必死に助けた馬が元気になって成長していく姿は感無量です。日常でも下痢の馬の状態が改善したとか、どうしたら馬のためによいかと考えたことが少しでも結果につながると嬉しいですね。

育成スタッフもお産を手伝うし、仔馬の頃から知っているから喜びも倍増するのかも。繁殖部門と育成部門の距離が近くて、みんなで協力する体制が整っているのは千代田の良いところではないかと思います。

自然に恵まれ、開放感のある環境で仕事ができて、生活もできることは楽しいです。入る前は想像していなかったような喜びがあるから、もし迷っている人がいるなら、足を踏み入れてみて欲しいと思います。